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レンズとリフレクターについて
みなさんは、ライトが点灯していない時、フラッシュライトの中を覗き込んでみたことはありませんか?

キーライトは砲弾型LEDがむき出しになっているかもしれませんが、多くのフラッシュライトでは、ガラスもしくは樹脂製のレンズの奥の中央にLEDが見えることでしょう。「LEDの特長と種類」という記事の時に覗き込んでみた方もいらっしゃるかもしれません。レンズだけではなく、銀色に輝くリフレクター(反射板)がLEDの周囲にあるライトもあります。
今回はLEDの手前にあるレンズとリフレクターについて紹介していきたいと思います。
レンズとリフレクター(反射板)の役割は?
レンズやリフレクターがないと、それぞれのLEDの特性に応じた光の広がり方となってしまい、光が周囲に拡散してしまうため照らしたいものを均等な光で照らすことができません。レンズは光の屈折、リフレクターは光の反射を利用することで光を集め、均一な照射面や光を遠くに飛ばすことができます。レンズやリフレクターがあることで目的の場所やものを照らすことができるのです。
レンズを搭載しているライトには、照射角度をワイドビームやスポットビームへ変更できる(フォーカスコントロール)製品もあります。リフレクターには、フォーカスコントロール機能はありません。
一方、リフレクターはカップ状の鏡面部分の深さを変えることで照射距離や角度が変わります。リフレクターの深さが深く、本体径が狭いものだとスポットビームになり照射距離が長くなります。反対にリフレクターが浅く、本体径が広いものだとワイドビームになります。
レンズとは
ジェントスで使用しているレンズは、すべてオプティカル(光学)レンズと呼ばれるレンズです。これはLEDから放たれる光を最適な方向に調整するよう計算されたレンズで、大きく分けて3種類あります。
但し、ジェントス特有の呼び方のレンズもあります。
- ムーンレンズ

平凸レンズと呼ばれる形のレンズで、光が均一な照射面できれいな円になっているのが特長です。大型化すると照射面の縁の部分がぼやけてしまうという欠点があり、はっきりとした円の照射面ではなくなってしまいます。そのため主にペンライトなど本体径の狭いフラッシュライトに使用されているレンズです。
均一な照射面で対象物が見やすいため、分電盤などの点検や手元などの近場を照らすのに最適です。
ムーンレンズ搭載の製品:
GF-011DG、
GF-004DG、
RX-042D、
LU-190
- コリメータレンズ

非球面レンズとも呼ばれるレンズです。
「コリメータ」には平行という意味があり、リフレクターなしで光を平行に集めて遠くに飛ばすことを得意とするレンズです。ジェントスでは中央に穴が開いているタイプのレンズもあり、これは真っすぐ飛ぶ光の特性を利用しています。
広い範囲を見るような仕事や釣り、登山などのアウトドアで遠くを照らすシーンに最適です。フォーカスコントロールができる製品もあり、手元作業が必要な配線作業などにも適しています。
コリメータレンズ搭載の製品:
ヘッドライト:GAIN TECHシリーズ、 W STARシリーズ、 GD-200シリーズ、 CB-100D、 CB-300D、 GTR-831D、
GD-002D、 GD-702D、 CP-260RSP/ RSB/ RAB/ RWG、 CP-01R、 HC-24BK/ YG
フラッシュライト: RX-086PS、 RX-186RS、 RX-104R、 RX-044D、 RX-032D、 RX-023D、 TTR-06BK/ SV
- サークルビームレンズ

コリメータレンズの一種ですが、その中でも照射面の形がきれいな円形になるレンズをサークルビームレンズと呼びます。ジェントスで使用しているサークルビームレンズの一部は、凸レンズとリフレクターを組み合わせたような形をしています。リフレクターの光を集めて遠くに飛ばす働きと凸レンズの丸い照射面を作る働きを合わせた特長をもっているので、主にフォーカスコントロール機能を搭載している製品に使用されます。スポットビームでは遠くを照らせ、ワイドビームでは近場など広範囲を照らすことができます。汎用性が高いためどんなシーンでも使用できます。
サークルビームレンズ搭載の製品:
ヘッドライト: Gシリーズヘッドライト、 HW-V333D、 HW-V433D、 HW-V533H、 DELTA PEAKシリーズ
フラッシュライト: GF-014RG、 GF-008RG、 GF-006RG、 GF-013DG、 GF-012DG、 GF-005DG、 閃シリーズ、 MAGNUMシリーズ
他にも、楕円に光を照射するオーバルビームレンズや、光を拡散するディフューザーレンズがあります。
オーバルビームレンズモデル:
AUVAシリーズ
ディフューザーレンズモデル:
Gambitシリーズ、
GD-200シリーズ、
CB-531D、
CB-532D
ご紹介したような光学レンズはLEDの光り方の特性に合わせて設計・デザインされています。そのため、LEDが変わるだけで微妙に照射特性が変わることがあります。使用するLEDの照射特性の違いによって同じレンズを使用してもサークルビームレンズのようにきれいな照射面になる場合や、コリメータレンズのように光が遠くに飛ぶ場合があります。
リフレクター(反射板)とは
ジェントスのリフレクターは2種類あります。
リフレクターは反射板に光を集めて遠くに飛ばすことが特長です。
- 鏡面リフレクター

鏡面のようにつるつるした反射板で、反射により光を遠くに飛ばします。
照射面の中心はLEDそのものの明るさでひときわ明るく、周りはリフレクターによる拡散光のため、広範囲を照射できますが中央の明るさよりも暗くなり、均一な照射面ではないのが特長です。
建築現場や保線作業、見回り等のとにかく遠くまで照らす必要がある時に最適です。ヘッドライトでは、Gambitシリーズのように光を拡散するディフューザーレンズを搭載し、2種類の照射方法で遠くだけではなく手元も照らせるようになっているモデルもあります。
鏡面リフレクター搭載の製品:
ヘッドライト:
Gambitシリーズ、
NR-003S、
AUVAシリーズ、
CB-531D、
CB-532D、
TX-540XM、
SR-244DH
フラッシュライト:
GF-016RG、
UT-1000M、
BLUSTERシリーズ、
KF-Q118R、
The LEDシリーズ、
SR-220DT、
APシリーズ、
LU-109PR、
LU-101、
LU-104
- マルチファセットリフレクター

鏡面リフレクターはつるつるした表面ですが、こちらはオレンジの皮のように凸凹したリフレクターです。オレンジピールリフレクターとも呼ばれることがあります。ジェントスの昔の製品では、「オレンジスキン仕様」と謳われていました。
この表面の凸凹により光を乱反射させて拡散させるため、鏡面リフレクターで照射したときよりもやや均一でなだらかな照射面が出来ます。こちらも遠くを照らす作業に最適ですが、照射面が鏡面リフレクターより照射面が均一なため手元での作業にも適しています。
ちなみに、ジェントスでディフューザー(拡散)レンズと呼ばれるレンズもこのマルチファセットリフレクターと同じ働きをしますが、より拡散の度合いが高く広範囲照射が可能です。
マルチファセットリフレクター搭載の製品:
ヘッドライト: HW-V143D、 HW-V233D、 CP-095D
フラッシュライト: UT-618R、 UT-226R、 UT-3000R、 UT-3200H、 UT-1900R、 TX-850Re、 NTシリーズ、 SHOT SHELLシリーズ、 Revolverシリーズ、 DMシリーズ、 LU-707
レンズがあるならリフレクターはいらないのではないかと考えた方がいるかもしれません。
フォーカスコントロールをしてもワイドビームとスポットビームで違いが出づらいLEDや、製品のサイズをできるだけ小さくしたい時、逆に
UT-1000M
のように光を集めて遠くに飛ばす照射距離重視のモデルなどにリフレクターは使用されます。 このようにLEDの特性や製品のコンセプトに合わせてレンズやリフレクターを使い分けています。
レンズとリフレクターで特性が違いますので、使用する用途や場所に合わせた製品を選んでみてください!
過去のブログ記事はこちらから
第6回2020.03.25 「ワークライトの種類」
第5回2020.02.28 「明るさについて」
第4回2020.01.24 「ヘッドライトの種類」
第3回2019.12.25 「ANSI FL1 Standardとは」
第2回2019.11.25 「フラッシュライトの種類」
第1回2019.10.25 「LEDの特長と種類」